コカリナ応援隊が行く

12人のおかしなおかしな珍道中 2019金沢旅行記

 

光陰矢の如しと申しますが、昨年(2018年)、松山でおかあさんコーラス全国大会に出場してからはや1年がたちました。次の全国大会は金沢と知った時から金沢周辺に縁のあるメンバーが「来年の全国大会は遊びがてら金沢へ行こう」と言っていたのですが、松元先生率いるコカリナさんが大阪代表に選出されたので、「それなら応援に行くぞ」と早速応援ツアーに変更。総勢12人で金沢まで行ってまいりました。しかし、終わってみればなんとも賑やかな珍道中でした。あまりにも凄いことは若干オブラートに包み(笑)、その一端を皆様にもご紹介いたしましょう。
 8月24日(土)
1泊目は湯快リゾートを利用して山中温泉へ。はぁ、金沢行くんちゃうん?というお声もありましょうが、ここがル・ヴァンなところ(笑)。何といっても京都駅からホテルまでの直行バスの運賃が2000円弱というお安さが大きな魅力でした。バスが出発する9:20を目指して京都駅に集合したのですが、大阪方面のメンバーが乗るJRの新快速がまさかの大遅延!しかも、2人も全国大会のチケットを忘れてきたことが発覚し、いきなりハラハラドキドキの出発となりました。ピャ~っとサンダーバードで行くのもいいですが、バスは行楽気分を駆り立てます。途中のサービスエリアやトイレ休憩で立ち寄った福井の羽二重餅のお店でもさんざん楽しみました。14時過ぎに山中温泉「花・彩朝楽」に到着すると、チェックインしてからすぐロビー集合。アウトドアに詳しいTちゃんを先頭にホテルを出発し、渓流のせせらぎを聞きながら豊かな緑に囲まれた鶴仙渓遊歩道の散策に繰り出しました。地図を見ながら先導するTちゃんよりも、なぜかどんどん前を行く最年長H子さん。とにかく彼女のマイペースっぷりはこの旅でもますます冴えわたりました。エピソードは枚挙にいとまありません。お知りになりたい方は、まずル・ヴァンの団員になりましょう(笑)
 
こおろぎ橋が工事中で通れないのは残念だったものの、約2時間の散策を楽しみ、心地よい疲れと汗は温泉のお湯で洗い流してさっぱりしたところで、ツインのお部屋に再集合。何も遊びにだけ来たわけではありません(笑) ここからがミッションへの道。応援隊の準備が始まりました。Tこりん発案により、表裏に「響け・コ・カ・リ・ナ」「輝け・佐・和・子・!」の文字をデコッたうちわが応援グッズです。手先の器用なメンバーが手分けして作りました。そして出発4日前、練習後にランチしながら金沢ツアーの話題であれこれ盛り上がるうちに、応援歌を作ろうという声が上がりました。ということでYぴー作詞、Aしぃ作曲というル・ヴァン黄金コンビ(?)が1日で書き下ろしたのが、その名も
『Happy Yell ~コカリナさんに愛を込めて~』。早速楽譜データと音源を作ってLINEに送りつけると、みんなも快く付き合ってくれ、この日が初練習とあいなりました。
ビュッフェスタイルの夕食をたらふく食べてお腹いっぱいになったところで、狭いカラオケルームにぎゅうぎゅう詰めになりながらミッションの仕上げです。アイドルコンサート並みのハデハデうちわを会場で振るのはさすがに自粛。でも本番が終わってからでは遅いから前日にエールを送りたい。うちわ振り振り応援歌を歌う動画をコカリナさんに送ろう。と決まったのはいいけれど、たったそれだけのことがまあどれほど大変だったか(笑)。うちわを振る者はお風呂上がりのすっぴんが映らないように焦るし、Tこりんの掛け声があまりにも面白く、AしぃとMちゃんによる口三味線な「ボン~ボボン、ボン~ボボン」の前奏に合わせ、歌おうにも笑いをこらえられない者続出。やっとうまく行ったかと思ったら館内アナウンスが入ったり。NGが出る度に笑いは止まらず、笑うまいと思えばますます可笑しくなり、応援と言いながら一番楽しんでるのは自分達やん(笑)。とまあ、わずか1分半の動画を完成させるのに2時間もかかりました(汗)
 
その後は卓球コーナーでなんちゃってダブルスに打ち興じ、試合にもならん珍プレーぶりは抱腹絶倒でした。30分でまたもや汗だくになり、それぞれシャワーを浴びてからさらにおしゃべり大会をするという有り余るエネルギーを放出しながら、この日はようやくお開きとなりました。演奏なしの旅行だからこそこんなにお気楽でいられるんだよねぇ。
8月25日(日)
朝7時に朝食バイキングへ。昨日の疲れも何のその、ひとっぷろ温泉に入ったメンバーあり、朝からワインを飲んでいる者あり! 旺盛な食欲を隠せない者は、「クロワッサン、ただいま焼きあがりました~」というアナウンスに惹かれて別腹とばかり熱々のクロワッサンに飛びついておりました。ふ~食いも食ったり~(笑)
宿をチェックアウトすると山中温泉を後にし、送迎バスで加賀温泉駅へ。そこから普通電車でいよいよ金沢を目指します。のどかな田園風景が続いていた車窓から急にビルが見えだしたら金沢に到着です。ようやく「おかあさんコーラス全国大会」が開催されている金沢歌劇座へ向かうのかと思いきや、さにあらず。午後からのコカリナさんの本番を聴く前に出かけたのが、歌劇座からもほど近い県立美術館内の「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」でした。朝の連ドラ『まれ』で一躍有名になったパティスリー、辻口シェフのお店でいわばランチ兼お茶の前倒し(笑)。予約不可のため席が空きしだい順番に入店しましたが、無事にそれぞれお目当てのスイーツをいただき、大満足でした!
 
さあ、いよいよ満を持して歌劇座へ。入場するとちょうどお昼休みで、午後からのステージが間もなく始まるところでした。私たちは早速2階席へ。コカリナさんは午後の4番目、この日16番目の登場です。本番では、曲間で後ろを向いた衣装の背中が鮮やかなラピスラズリ色で会場でも「わぁ」と声が上がりました。昨夜送った応援動画は、コカリナのメンバーの皆さんにもおおむね好評だったようで、大きなお世話も少しは役に立ったかなと私たちも胸をなでおろしました。演奏が終わり、拍手が鳴り響く中、応援隊は一斉にホールの外へ。
 
記念撮影を行う2階のホワイエにコカリナさんと松元先生、ピアニストの森先生の姿が見えたとたん、「うちらは氷川きよしのファンクラブか?!」というくらいうちわを振り倒し、黄色い声でお出迎え。誰よりもハイテンションでうるさかったことでしょう。ホールの皆様、ご迷惑をおかけし大変申し訳ありませんでした。と言いつつ、興奮状態はしばし続き、しまいには私たちもちゃっかり記念写真におさまっていました。惜しくもひまわり賞には選ばれなかったコカリナさんですが、私たちは現地で聴けなかったル・ヴァンメンバーとともに、心から賞賛の拍手をお送りしたいと思います。その後の関西からの団体もたくさん聴き、そのたびに心の中で応援しました。どこの団体もこの日のために一生懸命練習してこられたことは、昨年出た私たちが誰よりもわかっています。みなさま、お疲れ様でした。そして、ご出場おめでとうございました。
その日のうちに7名は帰阪したり次の目的地へ向かったり。残る2泊組は夕食とひがし茶屋街の散策など楽しみつつ、金沢の夜はふけていきました。しかし、1時間ちょっとの間に5人で食べたお料理はなんと14品。早食いメンバーが多いとはいえ、お料理が出てきてもペロリペロリと瞬時にお腹の中に消えていくさまは、まさにピラニアでした(笑)。ホテルに戻ってまたお茶やコーヒーでしばしおしゃべりしましたが、翌朝も早いのでいい頃加減で解散いたしました。珍道中はこれからが佳境です。
8月26日(月) 
朝はゆっくり派のTこりんを残し、Aしぃ、Mちゃん、H子さん、Yぴーの4人は5時起きでホテルを出発しました。4時30分~6時45分は無料で入園できるビンボー性にはとっておきの目玉企画、兼六園の「早朝無料開放」に出かけたのです。爽やかで寒いぐらいの空気の中、人影もまばらな兼六園の静けさ、有名な徽軫灯籠のある霞ケ池では緑の木々を映す水鏡の美しかったこと!途中、前夜出場して見事ひまわり賞に選ばれたアルバエコーのご一行様にもばったり遭遇しました。金沢にお越しの際は、ぜひこの早朝無料開放をおすすめしますよ~。その足で金沢城公園、尾山神社を通り抜け、近江町市場に。朝7時に開店するお寿司屋さんでいただくモーニング回転寿司も金沢ならではの体験となりました。ひと歩きした後の腹ペコピラニア軍団も大満腹(笑)。特に「のどぐろのにぎり」は絶品です。昼時は混雑必至の近江町市場。開店準備中の活気を感じることもでき、まさに「早起きは三文の得」を体感しました。
 
ホテルをチェックアウトすると、金沢駅前の観光レンタサイクル「まちのり」で電動自転車を借り、いよいよ市内観光をスタート。ここからが盛りだくさんでした。まずは、Aしぃが作ってくれたリーフレット「コカリナ応援オマケツアー」の行程表に沿って金沢聖霊会病院へ。昭和5年にできた和洋折衷の聖霊修道院聖堂で静けさに浸りました。長町の武家屋敷界隈を抜け犀川を渡った先の室生犀星記念館では、犀星の人生を追体験。(別行動で出発したTこりんも室生犀星記念館へ行き、「蝉頃」を犀星の筆跡で写したり、ポストカード作りを楽しんだそうです)。さらに犀川沿いを駆け抜けて石川県立歴史博物館ではレンガ造りの外観を眺め、兼六園近くの成巽閣では江戸末期の建物やお庭、手刺繍の着物や精巧なべっこう細工など歴史的銘品に目を奪われました。本当に金沢は美の宝庫ですね。Tこりんと合流したのは、近江町市場近くにある麩料理の不室屋さん。11時半からランチの予約をしていたのですが、遅れ気味のTこりんがせっかく必死に自転車をかっ飛ばしたのに、成巽閣でゆっくりしてしまった4人が着いたのはその10分後。許せよ~💦いろいろな種類のお麩料理が美味しかったです。金沢郷土料理の治部煮もあり、ミョウガの酢漬けもあっさりと美味!とはいえ、予定より遅く食べ始めたのに4人はあっという間に完食するというピラニアぶりを如何なく発揮し、食の細いTこりんだけが取り残されたのでした(笑)
 
食後はYぴーが別行動し、泉鏡花記念館、寺島蔵人記念館、金沢蓄音器館、金沢文芸館と記念館をはしごしました。記念館は入場料300円ですが、お得な1DAYパスポート(510円)を室生犀星記念館で買っていたので、巡る巡る~(笑)。スタンプラリーも実施されており、スタンプを順調に集めて室生犀星の一筆箋をいただきました。えへへ。一方、4人は甘清堂さんで和菓子手作りを体験。お店のおじさんご指導のもと、桔梗と菊の形の和菓子を作りました。「あんこ出てきた~」などH子さんが何かと騒がしい。様子を見に来た指導のおじさん、彼女の作品を見て「う~ん、これは別物ですね」(笑)
YぴーとAしぃが蓄音器館で合流し、他の3人は兼六園近くの加賀友禅会館で染物体験。ハンカチやトートバッグを作りました。淡い染料が乾かないうちに濃い染料を塗ってぼかしていく(外ぼかし)が加賀友禅。お花も虫食いの葉まで描くのが特徴なんだそう。「これムラサキか?」「これピンクやんな?」とここでも賑やかなH子さんでした(笑)。ひがし茶屋街ではYぴーが念願の金箔ソフトクリームをゲット!ちなみに金箔には何の味もございませんが、アイス自体は美味しかったです(笑)
最後は5人揃ってひがし茶屋街にある福嶋三絃店で三味線体験。一足先に到着したAしぃとYぴーはとっとと体験を始めていましたが、友禅染め体験が長引いたり、道を間違えたりして20分遅刻したTこりん、H子さん、Mちゃんはホウホウのていでお店に到着。弾くのは『さくらさくら』と決まっていまして、三味線の柄の部分に番号が貼ってあり、楽譜のようなもののとおり弦を押えて弾けば曲になるようになっています。最後はつっかかりながらも何とか通しで弾けるまでになりました(汗)先に体験していた奈良に留学中の若者たちともしばし交流。国境を越えて日本文化を堪能しました。
楽しい旅もいよいよおしまい。自転車を返してお土産を買い、5人はサンダーバードでそれぞれ無事帰宅しました。ドタバタな3日目も終わってみたら行きたいところ、したいことはほぼ全部初志貫徹。あの日、もしや金沢の町を電動自転車で爆走する4人組、3人組あたりのおばちゃん軍団を見かけた方がいらしたら、それはおそらくル・ヴァンの私たち。いつまでできるかわかりませんが、歌って踊って走って食べて~。このアラカンパワーは、これからもしばらく続く予定です(笑)。全国大会に出場されていた団体に負けず、私たちも秋のコンクールへ向けて頑張るぞ。第二の青春、バンザイ!長らくのお付き合い、誠に誠に、ありがとうございましたm(__)m