ル・ヴァン アドベンチャー隊がゆく!

「よさこい土佐日記」

(2024/8/8~8/10)

 

<まえがき>

 

 男もするという日記というものを、女12人で旅行記を書いてみようと思います。(紀貫之様の言葉を少し拝借)

 

 コロナ前からカヤックに挑戦したいといっていたメンバーの発案で2024年の夏のお楽しみは高知県仁淀川で遊ぶことになりました。私たちの行きたい所は秘境、メインは川遊び。そんなワガママを通すためバスをチャーターし、旅費を最小限に抑えるべくケチる所はとことんケチる、旅行会社の担当者と何度も練り直したオリジナルツアー。

 

 折しもコロナ感染者急増期とあり「キャンセル出ませんように」と心配していましたが、8月8日早朝に大阪駅近くの集合場所に全員集合!ル・ヴァン アドベンチャー隊結成!

 

 バスは明石海峡大橋を渡り淡路島、そして四国へ!徳島でランチ休憩以後の23日の旅の次第を11人で分担して書き、私、南海青色式部が編集してみました。 

〇8月8日(木)

 

<世界にたった三か所だけ!阿波の土柱どちゅうをゆく!> 

 

旅行の最初のランチは 癒しの宿土柱どちゅうランド新温泉での「団体ランチ つつじ」でした。生姜風味のつけ汁のたらいうどんや野菜天ぷら、見た目より美味しかったゼリーなど美味しく頂いた後、いざ土柱の散策へ。

 

100万年前の砂礫層が永い年月をかけて風雨の侵食によりできた高さ1018mの阿波の土柱。看板には、国の天然記念物に指定されており、アメリカのロッキー、イタリアのチロルに並ぶ「世界三大奇勝」とかホンマか〜と思いながら歩くと、やや規模は小さいながら 真っ青な空に壮大な土柱が出現!ちょっぴりすごい!皆でニッコリ記念撮影。

 

それから、Tちゃんを先頭に私とR子さん3人が頂上を目指し 汗だくで歩くこと10分、土柱の頂上へ到着しました。頂上は柵がなく下を覗くと 思わず うわ〜吸い込まれるようでコワイ〜下から見上げるのとは大違いで大迫力でした。足を踏ん張り、引きつり顔で記念撮影。その後、帰り道は土柱を間近に見てみんなの待つバスへと急いで戻りました。 

 

 by Mティ   

土柱(どちゅう)は礫や砂からなる段丘礫層(土柱礫層)が風雨により侵食され柱状になったもの。 

<朝ドラ「らんまん」牧野富太郎博士ゆかりの高知県立牧野植物園をゆく!> 

 

 メンバーのAしぃは、1年半ほど前ご主人と訪れたものの、「らんまん」の放送が始まる直前で注目が集まり、駐車場が満杯。諦めて帰ったとかで、今回めでたくリベンジ!

 

まずは「土佐の植物生態園」夏はお花の少ない時期ですが、それでも小さな可愛い花たちが私たちを迎えてくれました。

 

次なる「ふむふむ広場」は、触ったり臭いを嗅いだりを体験できるゾーン。オジギソウを触っては葉っぱが閉じるのに「おお〜!」と思わず声を上げたり、ハーブの葉っぱを擦っていい香りを嗅いだり。結構楽しめたのですが、いかんせん暑い!そこで自然と吸い込まれて行ったのが、冷房のきいた涼し〜い展示館。94年にわたる牧野博士の生涯が写真や自筆の書などと共に紹介されています。実際に使用した採集道具や、ノート、緻密な植物図なども展示されていました。涼しくてゆっくり見学でき、なかなか充実した内容でした。

 

次は少し離れた所にある温室へ。え〜!この暑いのに温室 と思ったけど、中も外もたいして変わらん😅多少外より湿度は高かったけど、ジャングルの中にいる気分。熱帯植物や多肉植物が展示の中心ですが、実際には滅多に見る事がない食虫植物が特別展示されていて、興味深かかったです。

さて、そろそろ時間となり、汗だくのみんなは売店でアイスを買ってバスへと帰ったのでした~。 

 

 by   のりのりぴー

<土佐郷土料理とお酒に酔いしれた夕食、パジャマパーティーのひと時>

 

夕食は土佐郷土料理のお店『明神丸』に。なんと先日オープンした商業施設“KITTE大阪に出店していることが後でわかりました。大阪にいても行けるや〜ん。

 

鰹のたたきはもちろんのこと、どのお料理もハズレなし!ナスの味噌焼き、アスパラ牛肉巻……高知は野菜も美味しいことを再確認。好きなだけ食べて飲んで、お支払いもとってもリーズナブルで大満足。大阪ではこうはいかんやろ。

 

酔っ払うからとノンアルで乾杯していたはずのMティーは他の人の注文した「日本酒利き酒セット」を味見し続けて真っ赤っか。お気に入りのお酒を見つけてお土産に買って帰ったようです。(2本も!)

 

その後Aしぃの部屋に集まってシメのおしゃべりでしたがどうしても小声でしゃべれない。隣の部屋の人に迷惑かけてるやも知れぬ…てなわけでFさんの部屋にお引越し。両隣ともメンバーの部屋なので安心です。そして夜更けまでおしゃべりは続いたのでした。そんな私たちに翌日以降、想像を絶する過酷なアドベンチャーが待っていようとは!誰が予想していたでしょうか……つづく 

 

yピット(仁淀川アブに3箇所刺された)

〇8月9日(金)

 

<土佐でも早起き!アドベンチャー隊ニワトリ組、高知城へゆく!>

 

 恒例の早朝散歩、今回は高知城へ。6時にロビー!の掛け声に集まったニワトリ組はTちゃん、S橋さん、I木さん、Mティー、Fさん、Aしぃの6人でした。ホテルから歩くこと15分余り、お城の近くの高知大神宮からはコケコッコーという声が聞こえます。祭神である天照大御神の神使が鶏なのだとか。狛犬ならぬ「狛鶏」もいるそうで、写真撮らなかったのが悔やまれる(涙)

 

山内一豊が400年余り前に創建した南海の名城「高知城」は、天守や門、本丸御殿の他たくさんの重要文化財を有しています。天守と追手門が同時に見えるスポットで撮った写真は、青空に映えて絵葉書のよう。スロープと石段を上って天守の前まで行くと、ラジオ体操(子供は皆無 笑)が始まりましたが、時間の都合上スルーして帰路につきました。

 

7時からの朝食を済ませ、有志4人で「鯨のからくり時計」へ。8時半になるとペギー葉山の「南国土佐を~」という歌声とともに、2頭の鯨が潮を吹く筈なのですが、昨年Aしぃが行った時は1頭しか吹いておらず。果たして直っているのか?

 

あれ~残念!2頭とも故障かい!()

 

y サイレントピラニア 

<パンパカパ~ン!今回のハイライト!🎊「仁淀川カヤック&SUP体験」カヤックの巻>

 

仁淀川は「仁淀ブルー」と称され奇跡的とも言われる透明度の高さと川の美しさで近年人気急上昇中のアクティビティスポットです。メンバー12人中10人がカヤック、2人がSUPで私はカヤック組。

しかしどこから見ても体育会系ではない前期高齢者目前の私にカヤックが出来るのか?

「仁淀川は全然流れがないから大丈夫よ」とN子さん。「小学生でも出来るんやって」とTこりん。

 

2人の言葉に勇気づけられ現地に到着。現地事務所では大画面テレビで現在体験中の様子が映されていました。何と10歳ぐらいの子供が1人でSUPに乗り、幼児がお母さんと一緒にカヤックに乗っているではありませんか。そして川の美しさに思わず見とれ不安は期待へと高まっていきました。

さあ、いよいよ始まります。まずは陸の上で説明を受けます。カヤック組10人にインストラクターが1人ついてくれます。地元出身のお兄さん、やさしそうで良かったわ。

 

パドルの持ち方、漕ぎ方、曲がり方など、褒め上手でオバさん達を盛り上げてくれます。でも一番重要なのはペアの息がピッタリ合っている事だそうで...私たち大丈夫かしら?ペアのN子さんとクリスタルのカヤックに乗り込みいざ出発!

最初のうちは感覚がつかめずさっき習った事も忘れ思った所とは反対の方へ、あれ〜止まらない。という事も度々でしたが徐々に慣れてきて「み-ぎ、ひだり」「み-ぎ、ひだり」と声をかけ合って進んでいきました。

 

半分ほど進んだ所で全員浅瀬にカヤックを止めて水に入ります。何て気持ちのいいコト!年齢も忘れ水をかけ合ってはしゃぐ私たち。

インストラクターのお兄さんの指導でSUPに乗せてもらったり...重心をとるのが難しかったけど何とか立てました〜。そのあとは全員で水に浮いてフラワー。最初は綺麗にならなかったけど再度挑戦して成功!綺麗なフラワーが出来ました。

 

しばらく水中で遊んだ所で再びカヤックに乗り込み前後の席を入れ替わりスタート地点に向けて出発です。もうすっかり慣れてスイスイ進む私たち。最初の不安はどこへ行ったのやら岸に着くのが名残惜しいくらいもっと乗っていたい気分の私でした。

こんなに綺麗な川で、1人ではなかなか体験できない事ができてとっても幸せでした。

 

by Mりん 

<再びパンパカパ~ン!今回のハイライト!🎊「仁淀川カヤック&SUP体験」 SUPの巻>

 

 Stand up paddleboard、略してSUP。サーフィンはできそうにないけれどこれなら優雅に水上をスーイスーイと進めそう..と申し込みました。事前に初心者向けYouTubeで学んだものの、落水あり、落ちたら這い上がらないといけない、だいたい立ち上がれるのか?少々心配も出てきました。

 

 SUPMティと私の2人、私は透明ボードを借りました。インストラクターのお兄さんが優しそうでひと安心、ライフジャケットをつけ、ひと通り説明を受けていざ、川へ。

雨が少なくて水は少なめということでしたが、さすがの透明度。お天気も良くて水面はキラキラです。白い鯉がボードの下を泳いでいました。

 

まずは座って、慣れてきたらそろそろと立ち上がってパドルで漕ぐと、おおー!気持ち良く進むやんー! で、油断して落水!はい、気持ちよくずぶ濡れになりました。助けに来てくれたお兄さんに引っ張り上げてもらい、カヤックチームの後ろから川を下って行きます。所々にある岩を避けようと思うと近寄り、他の人のボードにぶつかりそうになりながらも楽しくてしょうがない!

暑かったので水遊びイベント。全員で手を繋いで輪を....輪にならない(笑)諦めなかったメンバーで小さな輪はできました〜。腕をバンザイして我慢するのがポイントやね。

 

インストラクターのお兄さんに厚かましくも「お姉さんと呼ばれたら喜びます」と躾をしたのは私。嫌がらずお姉さんと呼んでくれた上に写真もたくさん、それも上手に撮ってくれてありがとうね。

ドローンでも撮影してくれて、手を振ったらちゃんと写ってましたよ。水も山もキレイ、高知、ええとこやな〜。もうちょっと近かったらな〜。冬はもっと水が透き通るそうです。

2日遅れでしっかり筋肉痛です。

 

y  初老アメンボ 

<仁淀ブルーを求めて中津渓谷をゆく!>

 

 中津渓谷は、雨竜の滝、紅葉滝、龍宮渕、石柱など「仁淀ブルー」を心ゆくまで楽しめる所です。

渓谷の入り口には中津渓谷•ゆの森があり、約1.6kmの遊歩道が整備されています。私達は入り口のレストランで昼食や軽食をとり、雨竜の滝を目指しました。

 

七福神の石像が遊歩道にありそれを探しながらの散策と思いきや、道は石や土も多く急な斜面も出てきました。途中、先日足を怪我されたAしぃは先に行くのを断念され、大黒様の打ち出の小槌の石像近くの休憩所で待機という事に。

 

少し急な階段もありましたが、時折吹く風は大変心地よく、歩き進むにつれ川の透明感が増していきます。写メに夢中の私は集団に遅れては追いかけておりました。(いつもN子さんとご一緒しております、すみません)

 

しかしさすがに川遊びの後の疲れが…と思った頃、少し広くなった川の数メートル上に渡された手すりの無い細い橋が見えてきました。高所恐怖症の私、足元の川をチラ見してはガクガク震えます。へっぴり腰で何とか数十メートルその橋を歩いて行くと、そこには落差20メートルの神秘的に美しい雨竜の滝の姿が。多方向に水は勢い良く吹き出し、竜吐水といわれるのも納得です。暑さも疲れも吹き飛ぶ、圧巻の景色でした。帰りはゆの森の温泉で今日の汗を流し、冷たい飲み物やアイスクリームで、皆さんホッとひと息つきました。

 

by うっかりあきべえ

<よさこい祭りと気品溢れるお部屋で土佐料理 よさこい よさこい>

 

 2日目の夕食は、老舗『土佐料理 司』本店で頂きました。

 

町は「よさこい祭り」一色。この日は前夜祭で、出演されると思われる方々が、金銀に輝く衣装や頭の後ろに龍のお面つけたりと目を惹く格好で歩いているのをよそに、カヤック、SUPおまけに中津渓谷での過酷なアクティブ体験でお腹ペコペコ ル・ヴァンは、早くビールが飲みたーいとお店へ一直線。

 

お食事のお部屋は、4階の床の間に掛け軸がある気品溢れるお部屋で、ル・ヴァンにピッタリ()

名物の鰹のタタキは絶品で、お酒が進むこと、進むこと!ビールに日本酒。「日本酒おかわり〜」ちょっと飲み過ぎちゃう?

 

コース料理はどれも美味しく、お腹パンパンになったところで、外から何やら音が?ヒュードドンドン。よさこい祭り前夜祭の花火が上がっているらしい。急いで会計を済ませて、外に出ましたが、高い建物ばかりで見えません。ようやく少ーしだけ見えるところがあり、「たまやー!」「綺麗!」と大はしゃぎ。

大満足でホテルに帰ったル・ヴァンでした。

 

y さはっち

〇8月10日(土)

 

<世界にここだけ!「モネ」を冠する庭園をゆく!>

 

 旅行最終日は北川村にある「モネの庭」マルモッタンに行きました。本家フランスから世界で唯一名乗るのを認められた場所です。

 

 バスを降りた途端、その暑さにややうんざりしたものの、水の庭と名付けられたあの「睡蓮」の世界の広がりを見て感激しました。馴染みあるピンクだけではなく赤、黄、白そして最も珍しい青と、見たことのない色とりどりのスイレンが見事に開花していました。

 そして、色も形も様々な花がそれこそ絵画のように配置されて美しい花の庭、見晴らしの良い風の丘、と進み眺めを楽しんだあとは、ひたすら冷たいものを求めて移動しました。

 

 求めるものは救われる!「リヴィエラの小屋」という名前のカフェに暑さから避難しました。中に入ると目の前には素敵なお庭。その奥には遮るものなく遠くの家々までが望めました。この景色こそ、モネが感動した風景を再現した、「ボルディゲラの庭」だったのです。運ばれて来た美しいかき氷やバラのアイス入りドリンクの説明を聞く私達の反応に「気持ちが良くなる反応してくださる!」とお褒めくださった店主の方からこの庭についてしっかり説明していただき、私達もすっかり気分良く、お店を後にしました。

 

 次の行程の時間もあるので、休憩してすぐのランチでしたが、別腹の発動か、完食して、お土産もしっかり買い込み時間通りにバスに乗り込みました。

 

 by R

<天然のタイムマシン、神秘の渓谷、伊尾木洞をゆく!>

 

 ツアーの締めくくりは伊尾木洞。シダ類の生い茂る洞窟を抜けると、そこは現実とは別世界。木漏れ日と足元を濡らすほどの水量の川を遡って行きました。

 

 ところがこの道、足元が滑りやすいうえに細い橋を渡ったりロープがかかった丸太の梯子を下りて行ったりの冒険コース。それでも当然行くものと疑いもせずに進んで行きました。

 

 辿り着いたメインの滝は水量少なく、前日行った中津渓谷の雨竜の滝とは比べようもなかったけれど、道はスリリングで楽しく、また一人も転ばず川にも落ちず全員笑顔の写真はさすがル・ヴァン。全日程コンプリートのラストを飾る楽しいハイキングでした。

 

 by たけ

<さらば土佐!アドベンチャー隊は帰路につく!>

 

 さて、3日間の濃~い高知カヤック・SUP&アドベンチャーの旅全行程を無事に遂行した私たちは、バスに乗り込み大阪へ戻ります。座席のあちらこちらでは、いつものおしゃべりの花が。もうすでに気持ちは、次の夏旅行。どこ行こうか、なんて話も出たり。でもその前にまず、10月のコンクール!そうでした。私たちはコーラスグループですもの。

 

 そのうち、皆さんどっとお疲れが出た様子、心地よいバスの揺れもあり、すっかりお休みモード。見事にシーンと静かになりました。窓から時折見える、太平洋の外海ともお別れです。沈む夕日で水平線もキラキラとオレンジ色に光っていました。バスは、吉野川ハイウェイオアシス、淡路島ハイウェイオアシスで2度の休憩をはさんだ後、予定通り午後8時にJR大阪駅西口へ到着。

 

3日間、にぎやかな私たちにお付き合いくださった第一交通の運転手さん、本当にありがとうございました。おかげさまでとても楽しい旅になりました。

 

by クラヴィア・ローザ 

<あとがき>

 

初日に津波注意報発令と南海トラフ地震臨時情報発表。そんな中でも5年振り、完全復活のよさこい祭りに沸く南国土佐を後にしてル・ヴァン アドベンチャー隊は解散。これからはル・ヴァン エレガンテに戻りコンクールに向けて頑張らねばならないのですが、未だ英語の課題曲は「カスカス」、日本語の自由曲は「キチャナイ」。近年少数精鋭となってきたコンクール。せめて入賞を!と挑みますが、そのハードルは阿波の土柱より高く(アメリカのロッキーくらいかも)、中津渓谷よりはるかに険しい道のりでしょう。まさに崖っぷちル・ヴァン。

 

 思い出しましょ、土佐の自然を、よさこい祭りを。発揮しましょ、ピッタリ合ったカヤックの息遣いを、SUPの体幹バランスを、ゴールに向かって難所に挑む勇気を、チームワークを。歌うよ 課題曲、自由曲。よさこい よさこい。アドベンチャー魂はいつまでも続きます。

 

 編集 by 南海青色式部 

 

おしまい